【贅沢な時間】音×酒×食は脳内で行われる「秋の大運動会」だった

やぁみんな。「日本酒をこよなく愛する料理人ブロガー」まるじだよ。

 

今日は久々に東京で【 音×酒 「秋の海・秋の山」】っていう音楽と日本酒と料理のイベントに参加してきたよ。

 

「音楽」×「日本酒」×「食事」の首謀者たち

 

「音楽」×「日本酒」×「食事」この3要素を、それぞれの分野におけるプロフェッショナルが、「1つのテーマに焦点を当てて表現し、それを同時に堪能してしまおう!」というなんとも贅沢なこの企画。

 


◆音楽はアーティストの丸山 茂樹さんhttp://www.maruyamashigeki.com/

アコースティックギター、三線、トンコリ、インディアンフルートなど様々な楽器と声で、日本全国内・世界各地へ旅をし、出会いを大切に、旅で出会った風景や人を音にし、人・自然・思いをつなげる演奏を各地で展開。
『なにかしらバラバラになってしまっている今を、丸山茂樹の音楽を通して取り戻したい。』
『人・自然・思いをつなぐかけ橋になりたい。』
『ただ伝えるだけでなく、考えてもらう音楽を追求したい。』
丸山茂樹の音楽を通して、新しい考えが生まれるきっかけをつくりだしたいと表現し続けている。
引用:丸山茂樹公式HP

とHPにもある通り、様々な楽器を駆使してオリジナリティ溢れる楽曲を提供し続けているアーティスト。ちなみにプロゴルファーではない。

 


◆日本酒セレクトは×SAKEプランナーの木村 光さんhttp://hikarukimura.blog.fc2.com/

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写真引用:facebookより

《×SAKEプランナー》
<日本酒を通して新しい価値観の創造><感性で味わう日本酒>
日本酒の新しい楽しみ方・味わい方やSAKE Styleの企画提案プロディース、そして×SAKEをコンセプトにした飲食店のプロディース、日本酒イベントや酒蔵ツーリズムなどを企画運営など、日本酒にまつわることをトータルでプロデュース&コーディネイト。
また、《日本酒夢想家》として日本酒で感じること、伝えたい事をブログ・新聞・雑誌にて執筆中。

僕をこの素敵なイベントに誘ってくれた方。様々なものと日本酒を掛け合わせて新たな価値を見出していく×SAKEプランナー facebookはこちら →  https://www.facebook.com/hikaru.kimura1

 


◆料理は会場の「ちえのわ」のオーナーでもある北山 秀人さん

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写真引用:http://www.ssi-w.com/

選りすぐりの日本酒と、力あふれる旬の食材。ちえのわでは日本全国から有名無名を問わず、今飲んでおきたい日本酒を厳選し、季節感のあるお料理と共にご提供しております。
お酒はその時その時で、異なります。お料理は築地からの新鮮なお魚を中心に、四季折々の素材を用いております。酒器は焼き物やガラスのお猪口、ワイングラスなどからお好みのものをお選びください。日本酒の香り、味を大切にしたいと考えておりますので、酒器による味わいの違いなども感じられると思います。様々な美味しい日本酒との出会い、常に進化を続けるお料理との出会いを一期一会として至福のひとときを存分にお楽しみください。

学習塾や美容院、日本酒ダイニング、酒販店まで。敏腕すぎる経営者の方。日本酒学講師もされている。とにかく様々な方面での知識の幅が広い。広すぎる。たぶん何度も言われていると思うが、林先生みたいな方。


会場は日本酒ダイニング「ちえのわ」

今回の会場は日本酒ダイニング「ちえのわ」さん。東急池上線 雪が谷大塚駅から2番出口から徒歩36秒くらい。36秒て。僕の勝手な推測ですけど。たぶん徒歩36〜38秒くらい。ほんと好立地。

駅の出口からの写真がこちら。

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近っっっっか。

入り口から階段を上ると日本酒ダイニング「ちえのわ」です。ふだんはお得な飲み放題付きのコースが人気のお店のようです。通常営業の日も行ってみたい!ご予約はお早めに→http://www.chie-ring.com/

 

いざ「音楽」×「日本酒」×「食事」の世界へ

本日の献立はこちら。

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ほうほう。期待とテンション急上昇です。

 

まずは食前酒として、群馬県「谷川岳」を。

 

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木村さん「音×酒は視覚に頼らず、風景が見えるか。という点にこだわってやってきました。この谷川岳は川場村で作られているお酒。風景をお酒に閉じ込めてあるという事を感じていただけると嬉しいです」と。

 

音楽はこのお酒が作られている群馬県の川場村をイメージして作られたという「Kawaba」という曲を演奏していただきました。

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使用楽器は北海道の民族楽器「トンコリ」

 

こんな楽器初めて見ました。音の派手さはないですが、木の温もりと何とも言えない叙情的な雰囲気を出してくれる素敵な楽器。

そこに多彩なエフェクター類やループを駆使して音を重ねていきます。

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これはネイティブアメリカンフルートと呼ばれる楽器だそうです。

これを先ほど演奏しながらその場で録音したトンコリの音色に重ねていきます。

 

風の音。草のざわめき。川のせせらぎ。青い空。白い雲。目を細めてしまうほどの眩しい太陽。

川場村の景色がたしかにそこに浮かぶ。

 

一口ふくんだ「谷川岳」は水の良さがすぐに分かる透明感とミネラリーさにハッとさせられ、米の甘みとしっかり感じさせつつ、ビシっと締めてくれるキレの良さが特徴の良酒。

 

もちろんこの谷川岳は何度も頂いたことがある。

 

ただ、ここまでハッキリと輪郭まで感じられたのは初めてだった。田んぼの風景がまぶたの奥に見えてしまっているせいか、お酒が作られた米の粒感までイメージすることができた。

 

演奏が終わる頃には僕は川場村に旅行に行った気分を味わっていた。群馬行ったことないけど。

 

一曲目は「今日のイベントを素晴らしい会にするという決意」を高らかと宣言してくれた音×酒だった。

 

 

「前菜三点」

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運ばれてきたのは前菜三点「あん肝ポン酢」「柿の白和え」「手鞠風 栗ご飯」の三品。

 

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北山さん「こだわった点はもちろん季節感です。これはもちろんの事ですが、今日の料理で一番大事なことは箸やフォーク、ナイフを使わないで召し上がっていただくというところ。音×酒×食を最大限に感じていただけるようお客様の作業を少なくしました。」

 

とおっしゃっていた通り、今日は箸を使わず、写真手前の楊枝で頂く。

 

「今日のために何度も何度も試作を繰り返してきました。味のことはもちろん、一口で食べていただけるような食材の大きさ(カットの仕方)、1曲1曲の長さ等も意識して、ちょうど食べ終えていただけるくらいのボリュームとなっております。」

 

このこだわりすぎな食事に合わせるは愛媛県「山丹政宗」

 

それも「ワイングラスで飲む吟醸酒」「お猪口で飲む純米酒」2種を用意していただきました。

 

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そして演奏も始まる。

 

 

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アコースティックギターの音色が優しい。「時鋲」という曲だそうだが、アルペジオの軽快さがタイムスリップしたような田舎の風景を映し出す。

 

あん肝のクリーミーさとポン酢の酸に純米酒のどっしり感を重ね、柿の白和えに吟醸酒のフルーティさを、栗ご飯の甘味と純米酒の複雑みが交わる。

 

ヴォーカルが入るとまた受ける味が変化することに驚く。「音が味となり、そして器となる」と丸山さんはおっしゃっていましたが、本当に受ける印象や見えてくる景色が変わる。

 

脳が「音×酒×食」のどれを切り取って良いのか試されているような。脳内が「秋の大運動会」だった。こんなに集中して、いろんな事に意識を向けて食事をしたのは初めてかもしれない。

 

「秋の海」

 

続いて運ばれてきたのは「いくら醤油漬」「鮭白子の燻製」「姫サザエ」の三点盛り。

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合わせるお酒は青森県「安東水軍」のひやおろし

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すでに絶対に旨いと分かる絶妙な組み合わせである。

 

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姫サザエの肝の苦味安東水軍の熟成感が絶妙。またお酒が常温であることの意味をしっかりと感じられる鮭白子との相性の良さいくらのプチプチ感大根おろしの瑞々しさ豊漁の秋を感じさせた。

 

ここで不思議な現象が起こる。

 

「秋の海」で演奏された曲が僕には「山の曲」のように聞こえたのだ。

 

ネイティブアメリカンフルートの空気感なのか。鮭白子の燻製の燻香がそうさせるのか。

 

理由は後で激論を交わして分かったのだが、この理由はこの会に参加した人にしか分からないよう、ここでは伏せておく。

 

とにかく後で参加者全員で熱く語れるくらい「それぞれが脳内でイメージが湧いていた」ということだ。ここまで受け取り手にも左右される食事会も変態度が高く、心地よい。

 

「秋の山」

 

最後を飾りますお皿は「黒毛和牛ミスジ 朴葉味噌添」「エリンギ焼き」「塩煎り銀杏」の三点。

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合わせるお酒は石川県「遊穂」のひやおろし

 

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最近僕の中での「遊穂」の評価がうなぎのぼり。出来が素晴らしく、本当に美味しいお酒だと思っている。

 

若さ溢れる翡翠銀杏の苦味、エリンギのジューシーさ、ミスジの脂を、遊穂のきれいな酸がしっかりリセットしてくれる。それでいて余韻も長いので食と酒が絶妙にクロスフェードする。

 

音も様々な楽器を駆使し、ボイスパーカッションまで重ね、五感の多重奏に脳内が破裂しそうだ。

 

 

しかしここで「ハッ」とする。

 

 

微妙に。それはもうほとんどの人が気付かないくらい本当に微妙に、バスドラ的に入れたボイスパーカッションがずれた。

 

 

これがLIVEだ!CDでは絶対に出ることのないズレ。

 

 

僕は最近田舎に引っ越して、様々な農作業を手伝わせてもらっている。

この前みんなで一生懸命植えた蕎麦が、先日の台風で半分以上ダメになったと聞いた。

イノシシに農作物を荒らされたと聞いた。

 

 

僕はこのわずかな「音のズレ」から「一筋縄ではいかない自然の厳しさ」を感じた。

きっとこのイメージは僕にしか湧いていないだろう。ちゃんと「僕の中の秋」だ。

 

それはもう涙が出そうなくらい、僕にとって貴重な体験だった。

 

 

エピローグ

 

食を掛け合わせた一連の「秋」はここで一旦終了。

 

LIVEはもう少し続く。

 

中島みゆきさんの「糸」をカバー。本当に名曲だ。

 

続いてオリジナル曲の「花ろっじ」

 

ここで北山さんが「くどき上手 純米大吟醸 雄町44」を出してくれた。

 

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花ろっじの歌詞に「あなたに花を届けましょう」とあったが、その歌詞通りに華やかでフルーティで一切の雑味なし。まっすぐな歌と、まっすぐなお酒だった。

 

また「生命」という曲に「命を仰げ」というフレーズが出てきたのだが、その言葉はまさに、自然界に生きる我々人間の一番根幹に関わる部分だと思っていて、田舎暮らしを始めて改めて気づかされた一番大きい感覚。これもまた今の僕にはタイムリーに刺さった。

 

 

これにてイベントとしてはフィナーレを迎えたのだが、興奮冷めやらぬ空気で主催者も、観客も、みんなでガンガン熱いトークを展開。やはりそれぞれのイメージする景色の違いが面白いし、感じ方も人それぞれ。

 

主催者の3人だってそれぞれ違うと思う。

 

正解なんてない。

ここまで考えられて、練られた企画を純粋に「贅沢だ」と感じ取れるかどうかだ。

 

 

そもそもお酒を飲む時や、食事をする時は必ず何か音が聞こえているはずで、普段から神経をとがらせて飲食なんてしないのだ。それをわざわざ「三位一体」となるようにそれぞれの分野のプロフェッショナルが、一つの「秋」というテーマに対して持ち寄った「音」であり「酒」であり「食」なのだ。

 

こんな贅沢な瞬間はそうそうない。コスパ良すぎ。

 

「これは一年間、春夏秋冬やって初めて成立する企画だから次もやろう!」と終わった瞬間から次のアイデア出しが始まるほど主催者もワクワクするものだったのだろう。

 

どうやらこちらのページで次回の開催等の情報が発信されるみたいだから、気になっている方はぜひチェックしてみてほしい。
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こんな贅沢な「脳内トリップ」がまたできるならぜひ次も参加したいと思ったし、こういう旅の仕方が許されるのであれば、次の回が行われるまでに僕の未完成な脳を少しでも研ぎ澄ませておこうと思った。

 

 

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