飲食店はドラマティックな毎日だった 〜コジコジ編〜

 

はいどうもー。飲食店で10年も働いてきてしまった男、まるじです。
みなさん飲食店で働いた事ってあります?

 

飲食店って従業員もお客さんもいろんな人がいるので、ドラマが起きやすいんです。信じられない様なエピソードがたくさんあります。

 

そんな僕がお送りする珠玉のエピソード集の中から今日は「コジコジ」のお話をひとつ。

 

※注:しょーーーもない話です。お食事中の方は読まないことをオススメします(笑)また、下品なお話が苦手な方は今すぐここからお立ち去りください。

 

 

 

基本的には1日1トラブル。

 

6年前、僕はこじんまりとした古い鉄板焼き屋の店長をやっていた。

 

お店がかなり古かったというのもあるが、飲食店において何かの設備故障するなんてのは日常茶飯事で、毎日のように何かを修理しなくてはならないのだ。

 

その日、外は大雨だった。

 

仕込み中に事件は起こった。

 

 

「まるじさん!トイレ流れねーっす!」

 

 

アルバイトの大学生が叫ぶ。あぁもう。。。これは面倒くさいパターンのヤツだ。
とにかく何て名前か知らないけど、トイレの横に置いてあるキュポンキュポンするヤツで応戦してくれと僕はお願いした。

 

「やってみます!!」と彼は元気に戦場に向かったが、なかなか戻ってこなかった。

 

 

仕込みもある程度落ち着いたので様子を伺ってみた。

 

 

「なんかメッチャゆっくり少しずつ流れてます。」

 

彼の言う通り、流しては水が引くのを待ち、流しては水が引くのを待ちを繰り返し、17回目くらいでようやく流れ切らなかったティッシュがユラユラ揺れているくらいの透明度まで回復するという、なんともじれったい状況。

 

自慢のキュポンキュポンも効かない。

 

Google先生に相談して、いろんな策を講じてみたが、効き目はなかった。

 

 

僕は上司に許可を取り、森末慎二でお馴染みの水道トラブル会社に電話し、暮らしの安心を求めた。

 

「今日はちょっと立て込んでるんで到着が22時頃になりそうです!」

 

 

とのこと。仕方ないのでその時間でお願いした。

 

 

とりあえず向かいのコンビニの店長に事情を説明し、森末慎二が解決してくれるまでトイレを貸してほしいとお願いした。

 

 

承諾を得た僕は、トイレのドアに大きく故障中!御手数ですが向かいのコンビニのトイレをご利用ください」と張り紙をした。

 

 

その日の営業が始まった。

 

 

お前のせいだよバカヤロウ!!!!

 

雨にも関わらず席もある程度埋まり、店は活気づいていた。ただ、トイレに向かうお客さんは、面倒くさそうに傘をさして向かいのコンビニに消えていった

 

 

そんな中、常連のコジコジがやってきた。

 

 

コジコジは近くの大企業に勤めるおエライさんだ。おエライさんらしく態度もデカい。基本的に面倒くさい人だが、領収書払いなので単価もよく、お酒もご馳走してくれる(女子スタッフのみ)変なオッサンだ。

 

 

コジコジ「なんだよー。今日〇〇ちゃんも〇〇ちゃんもいねーのかよ!つまんねー店だなぁおい。」

 

 

お気に入りの女子スタッフがいないことに悪態をつきながら、席に着く前にまずトイレに行った。

 

コジコジのトイレに行くスピードが速かったのもあるが、ちょっと忙しかったし、あんだけ大きな張り紙してんだから引き返して来るだろう。と思い、声はかけなかった。

 

 

しかし待てど暮らせどコジコジは帰ってこない。

 

 

僕は調理をしていた。結構オーダーがたまっていてバタバタしていたが、ずっとコジコジの様子が気になっていた。

 

 

結構な時間が経ったが、コジコジは何もなかったように席に着いた。

 

 

おい。待てコジコジ。ちゃんと流したのか?  17回ぐらい流して待って流して待ってを繰り返したのか?僕は気になっていた。

 

 

その時だ。

 

 

「まるじさん!! やばいっす!!」

 

 

アルバイトの彼が叫んだ。

 

 

「ん?」

 

 

僕は彼が指差すを見た。キッチンの床にある排水溝から水が溢れかえっていた。

 

こんな感じのやつね。

images

注:イメージ。

 

 

 

 

排水溝から水が溢れ出してて床がどんどん浸水してきている!

 

 

何より異臭がすごい。

 

 

「うおおーっ!これはやばい!」

 

 

慌てた僕らに更なる悲劇が襲いかかる。

 

 

 

 

ゴジラのごとく水面から「う●こちゃん」が顔を出したのだ。

 

 

 

 

「うぉぉぉぉーーー。う●こキターーーー!」

 

 

 

 

これはもう飲食店ではあってはならないレベルの事件だ。

 

 

間違いない。犯人はアイツしかいない。

 

 

かつての持ち主の席まで、料理と一緒に持って行ってやろうかと思った。水の上昇もひとまず落ち着いたので、とにかく平静を装い、まずはオーダーを処理した。

 

 

そして、上司に電話し、状況を報告。

 

 

「はっはっは!そりゃしゃ〜ない!もう今日は閉めてまえ!」

 

 

笑い事じゃねーよ!と思いながらも、いつもよりかなり早いが、お客さんに「設備点検が入りますので、申し訳ないんですけど。。。」と伝え、オーダーストップにして早めに閉店することを決めた。

 

ほとんどのお客さんは空気を読んでサクッと食べてサクッと帰ってくれた。

 

 

しかし犯人のテーブルは一向に帰る気配がない。僕は再度、退店を促した。

 

 

 

コジコジ「なんだよ!うるせーなぁ。さっき来たばっかりだぞ!今日は女子もいねーしどうなってんだこの店は!」

 

 

 

 

お前のせいだよバカヤロウ!!!!

という言葉をギリギリで飲み込み、なんとか退店してもらった。

 

そして僕たちは店の片付けを始めた。

 

あとは森末の到着を待つばかりだった。

 

 

僕とオクレとコジコジのコジコジ

 

 

すみませーん!遅くなりました!

 

森末の登場だ。

 

 

いや。実際にはMr.オクレのようなヒョロヒョロのおじさんで、少々不安だったが、僕らはそのオクレに全てを託した。

 

 

「失礼しまーす」

 

 

と言ってオクレはトイレのドアを開けた!

 

 

「うわーーっ!!」

 

 

オクレの叫びに僕は急いでトイレに向かった。そういえば片付けるところが多すぎて僕は肝心のトイレの状況を見ていなかった。何があったんだオクレ!!

 

「あぁぁ。。。。。」

 

そこに広がっていたのは床一面に敷き詰められたのトイレットペーパーと、少し溢れてしまったコジコジコジコジだった。

 

「ま…まぁよくあることなんで…大丈夫っす!やってみます!」

 

 

とオクレは気を入れなおした。

 

 

僕は僕で、キッチンに出現したコジコジコジコジに対し2重のビニール袋という武器で戦っていた。

 

洗い物をしても床の水位が上がってきてしまう事が判明したので、もうすべての作業を中断し、僕以外のスタッフは家に帰した。

 

 

大苦戦のオクレは上司と思われる人に電話しまくっていた。

 

 

いろんな機材を駆使して、ずいぶん長時間格闘した結果、オクレの見つけ出した答えはこうだった。

 

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もうだいぶ先が詰まってると。要するに大工事になるよって事だった。

 

大雨によって下水道の水位も上がっていて、それも原因の一つだとオクレは説いた。

 

 

 

オクレも僕も長時間に及ぶコジコジコジコジとの戦いに疲れ切ってしまっていた。そして僕らは長時間に及ぶ作業で妙な連帯感が生まれていた。

 

 

「もう明日の朝一にしましょう。」

 

 

僕とオクレは合意した。

 

 

高圧的常連客と高圧洗浄車と高額請求書

 

翌朝、僕は眠気まなこをこすりながら、店に来た。

 

そこには立派な高圧洗浄車とスタッフが2名待機していてくれた。

 

そこにオクレの姿はない

 

 

あいつ。。。。裏切りやがった!

 

 

まぁいい。高圧洗浄車が一気にケリをつけてくれるはずだ。

 

ブウィィィィィィーーーン!!!とうねりをあげて高圧洗浄車が圧をかけていく。

 

ものの10分ほどで詰まりは解消した。あっけない幕切れだった。

 

 

寂しささえ覚える程だった。

 

 

ってかすぐ終わるんだったらオクレ来いや。と思いながら、僕は高圧洗浄車による高額請求書を受け取り、後日振り込むことを約束した。

 

 

あまりにも高額だったのでコジコジの会社に請求してやろうかと思った。

 

 

でも僕は優しいので、水に流してあげる事にしました。

 

 

 

 

お後がよろしいようで。

 

おわり