日本一周の途中だけど飲食店の現場に復帰した

こんにちは。まるじです。

クラウドファンディングを立ち上げ、色んな仲間に協力してもらい、僕は昨年の9月に日本一周の旅に出ました。

車中泊をしながら「広島県へUターン移住するための壮大な寄り道」として日本中の食文化や生産者さんの現場を見て回る。また、日本酒・クラフトビール等のお酒、ローカルを軸に活躍している人の価値観などに触れ、自由気ままに旅をしておりました。

(色々と早くブログにまとめたいなぁとは思っています…。)

一瞬で魅了された香川県三豊郡仁尾町の海

WEBライターという仕事をしながら、自分の嗅覚を信じ今日の寝床をフラフラと決めるというのは、日常と非日常の境がとても曖昧で、ルーティンワークの世界で生きてきた僕にとって非常に楽しい毎日でした。

「旅してて辛いこととかないの?」と苦労話を欲されるんだけど、これといって困ったことは無く。この調子ならあと37年ぐらいはこのまま旅してられると思ったぐらい。

そんな自由気ままな車中泊生活を、今は一旦中断しています。

なぜかというと。東京の飲食店で料理長を務めているからです。

半年前までは全く想像もしていなかった展開に自分でも驚いています。

たしかに飲食店で働くのは辛かった。

こちらの記事にも書いた通り、体調もメンタルもぶっ壊したんですけど。

飲食業から抜け出すのに3年かかった。そしてこれから。

2017.04.05

旅がきっかけで色んな人々に出会い、色んな街を好きになった。そうしたご縁が多数ある中で、僕を必要としてくれる人達と出会い、互いの思惑がマッチし、旅を中断してでもやってみたいことが目の前に現れたのです。

そんな辛かった飲食業という環境に「なぜ戻ってきたのか」と、それは「どういうお店」で今後は「どうしていきたいか」を書いておこうと思い久々にこうしてブログを更新している次第でございます。

「生産」する現場をこの目で見て回ると、考え方が変わってきた

とても興味深かった神山町のフードハブプロジェクト

飲食業界の生き残りを掛けた争いは熾烈を極めていて「安い」というワードはとにかく重宝されます。いま思うと僕は食材のことを飲食店で扱うための「商材」としてしか見ていなかったのでしょう。全てがただの数字だったのかもしれません。

そして、食事を提供する「場」としてその空間が存在すれば良い。という大都市の「消費」するスタイルに疲弊していたのではないかとも思います。

どれだけ魂込めて料理したって「接待する」という目的のために椅子に座っているお客さんには何の味も届いていないなぁと感じていたし「ばか騒ぎ」しに来た人たちはもちろん何の説明も聞いていない。

もちろんそういう「場」も必要でしょう。しかし、それならば料理人が僕である必要はどこにもなくって。提供側と消費側のミスマッチが心を消耗させていたんだと感じています。

もちろん全てのお店、全てのお客さんがそうだとは思いませんし、愛のあるお客さんももちろん多くいました。また、食べる楽しみを求めて来ていたはずの方に、素直に飲食店側が良いものを届けられていなかったということもあるでしょう。

利益至上主義でしかほとんど生き残っていけない、切迫した飲食業界の現状がそれらを後押ししていたということです。(ビジネスとして悪いとは思わないが、構造として限界が来ているように思う)

しかし。都心から離れ、一歩引いて地方に目を向けた時に「生産」する側の人達で溢れていることに気付かされるのです。魂のこもった商品を生み出している生産者さんがゴロゴロ存在していて東京で「消費すること/させること」に躍起になっていた僕にとって、これは衝撃的な事実でした。

どんな想いで米を作ってるか。酒を造ってるか。
愛の詰まったトマトがどれだけ旨いか。想いの乗った人参がどれだけ滋味深いか。

もうね。愛なんですよ。愛。

その事実に直面し感じたことは「僕も生産側に立ちたい!」というものではなく、「この想いをきちんと消費者に伝える” 間 “に立ちたい」というものでした。

生産者さんが想いを込めて作った商品を、僕というフィルターを通して「適切に消費したい方」に繋いでいく。

微力ながらその愛のリレーを繋ぐ人でありたいなと思いました。で、そのバトンを一番繋ぎやすかったのが僕にとって「料理」というツールなのだと改めて気づいたということです。

思考は発信してると実現する

「じゃあどうすれば良いんだろう……」そんな事を抱きながら旅を続けていると、思わぬところから思わぬオファーが届くもので。

まずは手っ取り早く、いま僕が料理をしているお店のことをご紹介したいと思います。

” 地域の食文化やそこに暮らす人の情熱を編集し、五感でまるごとで味わえる、食堂型ミュージアム “

風土はfoodから

食堂型ミュージアム。もはや何料理を出すお店なのかも分からない説明なんですけど、ダジャレ感のある店名が全てを物語っています。世界中の風土から生まれた食文化を丁寧に切り取り、その大切な要素を一度分解し、再編集し、食べることで学ぶ。

2Fのギャラリースペースでは様々な地域の食文化や、食材などを展示し、1Fのレストランと連動させることによって実際にその展示物を食べることができるという仕組みになっています。

知ってもらいたい文化・生産者さん・地域にスポットを当てることができ、ギャラリーの展示を通して、実際に触れて見て食べてもらう。それが一番の学びとなり、次世代に残していくべき大切な要素なのではないでしょうか。という問いを持たせたお店となっています。

1F飲食店のテーマは「ばあちゃんの料理」です。

古き良きものを。というだけの意味ではなく、物資が乏しかった時代の「制限の中から生まれたクリエイティブ」に着目し、その技術や技法はもちろんのこと、おまじない的な作法や、ロックでキュートな精神性をエッセンスとして料理に組み込んでいきます。

いわば「食文化の背景を食べてもらう」ということなのかもしれません。


このお店の運営は、” 新しい学びのクリエイティブ集団 “として共創的な学びを提供している教育ベンチャー「ハバタク」が行っています。秋田の五城目町や香川の仁尾町で展開されるシェアビレッジの活動などでも大きな注目を集めているのでご存知の方も多いかと。


編集チームには、秋田県庁が発行するフリーペーパー「のんびり」を手がける「のんびり合同会社」の方々。編集長の藤本智士さんから学ぶところがとても多く、刺激を頂いています。これからの時代、何事においても「編集する」というキーワードに必ずぶつかるんじゃないかなと思っていて。そういう中で藤本さんの本は必読です。


建築・設計SUGAWARADAISUKE建築事務所が担当。一白水成を醸す福禄寿酒造が新たにオープンさせたカフェ「下タ町醸し室HiKOBE」なども手がけています。

実はこのお店が入っているビルは再開発が見込まれており、5年から10年後には跡形もなく無くなっている予定なのだそうです。

そうした期限付きのビルに対して「手垢のついた新鮮な未来をつくるプラットフォーム」をテーマに、古い酒屋のビルをスタイリッシュな空間へと昇華させ、表現の場として、学びの場として活用していこうというプロジェクトです。

こんな素敵なチームに囲まれ、いちばん重要な要素である「料理」というコンテンツの先頭に立てるチャンスもそうそうないと。

中村 優ちゃんという、ちょっと変わった女の子とタッグを組めているのも面白くて。彼女は世界中を旅して、おばあちゃん料理をハント。そのロックでキュートな「ばばワールド」を探求し続けていて、このお店のメニューを一緒に考えたりもしています。

飲食業界復帰と、これから。

多くのプロフェッショナルの仕事に触れることで、刺激をもらう。そしてまた新たな出会いとともに濃密な旅へと循環させる。

飲食業界に戻ったからといって、旅を辞めるつもりは全然無くって。

伝えたいことがある芯の通ったお店を通じて飲食業界に復帰したことで、ローカルとそれに付随する先人の知恵なんかを丁寧に切り取って、一大消費地のど真ん中で自分なりのクリエイティブとして発信できる。

インターネットに乗せて発信することが発信の全てではなく。その手段は多種多様で、料理もその一つになりえるはず。だからこそ面白いのだ。(インターネットに乗せることで加速はすると思うけど)

そして、このお店では「フリーランスの料理人」として個人事業主契約を結ばせてもらっています。なので、できる範囲でのライター活動も続けていくし、ホームページ制作なども引き続き請け負っていくつもりです。料理で手一杯になっちゃうかもだけど。色んなことに挑戦することで、自分を引き上げていきたい気持ちは常に持っているつもり。

んで、いま働いているこのビルは1-2Fは飲食店、3-5Fがコワーキングスペース/レジデンス/ラウンジとなっていて、仕事しながら住むということを目的としている建物なのね。

なので、料理人版のWWOOFみたいなことも今後やっていきたいと思ってるし、東京で小さく挑戦を始めてみたい人の受け皿にもなれると思う。

この新しい価値観を千代田区の神田錦町という東京の中心地で実現しちゃっているのがスゴイなぁと思うわけです。(参照 : http://bunkai-san.jp/ )

というわけで、生産と消費を上手に繋いでいくために飲食業界に復帰するし、旅も続けるし、仕事も幅広く請け負っていくよー。というお話でした。

クラウドファンディングでまるじに支援したけど、まだリターンが来てねぇぞ!って方。もう少しお待ちを。必ず履行しますので。

さてと。仕込みをしようかね。仕込みを。

良かったらシェアしてくだされ。