飲食業から抜け出すのに3年かかった。そしてこれから。

こんにちは。まるじです。

飲食業界で10年ほど働いてきました。飲食店で働くの正直つらかったんだよね。直近の3年間は本当に本当につらかった。けどやっと「つらかったです」って素直に言えるようになってきた。

拘束時間が長いとか、仕事内容がキツイとか、給料が安いとか、そんなくだらない理由じゃなくって。「仕事」が「自分の本当の性格」とピッタリとハマっていなかったってことに、最近ようやく気づいたんだよね。

「飲食店では働かないほうがいいぞ!」とか「ブラック企業が…」とかいう気は全然なくて。むしろ飲食に携わることで素晴らしい経験をたくさんさせてもらったし、仲間もたくさんできたし、スキルもたくさん身についた。本当に感謝してるし、「10年働いた」という事実に対しては誇りに思う。

 

「向いてないな」とはずっと思ってた。

そもそも飲食店で働き始めるずっと前から「僕は飲食店では絶対に働けない」と思ってた。周りにもそう言いふらしてた。「いらっしゃいませー!」とか言えないでしょwww  って。

ひょんなことから飲食店で働くことになったんだけど、飲食店での仕事を始めた頃から、ずーっと「オレほんと飲食業に向いてないな」と思って仕事してた。飲食業の何が向いていないのか、理由は分からないまま「仕事」ってそういうもんなんだろうなぁ。ってなんとなく自分を納得させて過ごしてきた。そんなことを深く考えるような余裕も時間もなかったし。

結局、その違和感が積もりに積もって体調を崩しちゃったんだと思う。どこの病院に行っても自律神経失調症っていう診断。「なるべく太陽を浴びて下さい」としか言われない。ずっと朝方まで仕事する時間帯で働いてきたから朝寝て、昼に起きて夕方に出勤っていうルーティンワークでさ。太陽にあたる時間なんてほとんどないわけ。

なるべく日に当たろうと思って、ランチ営業のある日当たりのよさそうな仕事場に転職したりもしてみたんだけど、症状は良くなるどころか悪化。吐き気と頭痛と胸焼けと耳鳴りが止まらない。上手に寝ることもできなくて睡眠薬で無理やり寝てた。基本的にネガティブ思考に陥るし、体調が良い日なんて1日もなかった。当時はそれが普通なんだと思ってたけど、いま思うとやっぱり辛かったんだよなぁって思う。

 

進まない転職活動と中途半端な仕事

7年目ぐらいに「飲食店でこの先ずっと働いていく」ことに限界を感じていた。それを自分の中で「撤退」と捉えることが嫌で、「飲食以外の仕事もしてみたい」と自分に嘘をつき、偽りのポジティブシンキングを装うことで、なんとか前に進もうとしてた。

でもやりたい仕事が明確にあるわけではなくって、飲食業以外のスキルは何一つ持ち合わせてない。そんなヤツを雇う会社なんてないし、そんなところに身を置いても何も得られないことは分かっていた。そんな背景もあり転職活動は進まず、ダラダラとこなすように仕事と向き合い、情熱も傾けられなかった。

どの世界にも天才がいて。「こんなすごい人がいるんだったら自分が存在する意味はないな」って自己嫌悪に陥ることも多々あって、元々あまり持ち合わせていなかった「やる気」をさらに無くしたりしてた。

いま思うことは、飲食業の仕事で僕に関わってくれた多くの方に謝りたいってこと。「中途半端な仕事しかできず、すみませんでした」って。特に部下として関わってくれた人たちには本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。一丁前にスキルと経験値だけは高かったので、管理職を任されることが多かったんだけど。「素敵な背中を見せられない、イケてない上司ですみませんでした」と思ってる。

お客さんに対してもそう思う。あなたの食事を美味しく、楽しいものにするという一番大切なことに全力で向き合えていなかった。「あんなサービスしか展開できなくてごめんなさい」って。本当の意味で僕はプロではなかったんだろうなって思ってます。

 

田舎に行けば変わると思ってた

ボロボロになった僕が逃げ込んだのは千葉県の田舎町でした。ここでwebの勉強をしつつ、新たなスキルを身につけて、自分にできることを増やそうって思ったんだよね。そして飲食店で働くことから解放されれば体調も戻るんじゃないかって思って田舎×webを選んだ。

最初は新しい知識や技術をインプットすることがとても新鮮で、ワクワクした気持ちと穏やかな時間の流れが心地よくって、少しづつ体調も回復してきた。「田舎最高だぜ!」とか思ったよね。

でもね。なんだか心のザワザワが取りきれない。穏やかすぎて「オレ止まってしまってるんじゃねーか?」みたいな不安だったり、webの世界にももちろんすごいヤツがいっぱいいて「やっぱり自分の才能なんてこんなもんか」っていう自己嫌悪アゲイン。

生活している場所がコワーキングスペース×シェアハウスだったからとにかく人の出入りが激しくってさ。その度に色んな人のバックボーンや考え方、スキルに触れて、また自分の小ささに嫌気がさす。

新しい知識や技術は得たんだけど、自分に対するコンプレックスは大きくなるばっかりで、ついに僕は1ヶ月ほど自分の部屋からほとんど出ずに、他人との連絡や交流を極力避けて、ブログも更新せず、ただただ引きこもってた。自律神経失調症の症状がまた出てきて人生に絶望しちゃってた。

 

まるじは何が、どうつらかったのか

引きこもり生活を続けていたある日、韓国人クリスチャンのハウスメイトが部屋を出るという知らせを聞いた。僕よりも年上の穏やかで優しい人だ。彼にはとてもお世話になったし、大好きだったので送別会があると聞いて、すぐに駆けつけた。

彼の性格を表すように穏やかで優しい送別会が催されていて「あぁ。やっぱり人っていいな」と思った。そんな時、韓国人の彼が僕を呼び出した。「まるじさん。ちょっとお話いいですか?」って。

彼は、僕の送ってきた人生や考え方について色々と質問してきた。僕は特に何も深く考えず、今までの人生を振り返りながら、思ったことを話した。一通り僕の話をうんうんと聞いて、彼はこう言った。

 

 

「とてもつらかったでしょう」

 

 

この一言を聞いて僕は不覚にも泣いてしまった。そう。つらかった。ずっとつらかったんだよ。本当に。誰にも言えず、弱い部分をひたすら隠しながら、一人でふさぎこんで体調崩して。

 

「なぜまるじさん、つらかったかと言いますと…」

 

と言って彼は【まるじの】【何が】【どのように】なっていたからつらかったのか、図と言葉できちんと説明してくれた。この図と言葉と考え方は色んな人に知ってほしいから別記事で詳しく書こうと思ってるんだけど。

で、彼の話を要約すると、「向いていない仕事をよく10年も耐えたね」って。そりゃつらいだろと。僕は「なぜその仕事が向いていないのか」を理解してなくって「なぜつらかったのか」が分かってなかった。そして本当の僕はこういう人間で、それをちゃんと認めてあげて、そしてそれを活かせる仕事をしなければ成功しないし、またつらいと感じてしまうよ。と。

 

ちゃんと自分と向き合ってみる

その晩、部屋に戻った僕は「過去の自分を認めてあげること」と「自分の本当の性格」と「それを活かしてできる仕事」について一生懸命考えた。涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、とにかく自分と向き合ってみた。「料理やってました」って胸張って言えない自分。「音楽やってました」って素直に言えない自分。「今こんな活動してます。こんなこと思ってます」ってブログにさえ書けない自分。

どうしても他人と比較してしまうから、持っているはずのスキルや経験が逆に大きなコンプレックスとなって襲いかかってくる。怖い。

泣き疲れたので一息つこうと思って開いた携帯から、泥臭い音楽が流れてきた。誰だ。こんなタイミングで竹原ピストルが叫ぶ「ファイト」をシェアしたやつは。

僕の顔面はさらにぐしゃぐしゃになった。いつもより激しく愛犬のバンビにベロベロと顔を舐め回される。犬にまで「ファイト」と言われているような気がした。

そういえばその韓国人の彼はすべて言い終えた後に「あぁ。とても伝えるの緊張しました。」と漏らしていた。それぐらい僕はメンタルがすり切れていて、人を寄せ付けないオーラを発してしまっていて、無気力だったんだろう。勇気を振り絞って思いを伝えてくれた彼に心の底から感謝してるし、おこがましいけど、僕も彼のように「誰かの何かのキッカケ」になりたいなとも思った。

 

よし。また動き出そう。

彼のおかげで、一つのジャンルで突き抜けることが僕にはできないって事が分かった。例えば料理。僕より技術のある料理人を3億人ぐらい知ってる。例えば日本酒。僕より詳しい人を3億人ぐらい知ってる。例えばクラフトビール。僕より詳しい人を3億人ぐらい知ってる。例えば音楽。僕より歌もギターも上手い人を3億人ぐらい知ってる。

野球も、webも、田舎暮らしも、バスケも、コーヒーも、空気を読むことも、釣りも、おしゃべりも、農業も、DIYも、犬のことも、絵も字もこの文章も。

一つ一つの分野ではその道のスペシャリストには敵わない。前はそれがコンプレックスだったけど、「それって悪いことじゃないよな」って思えた。逆にめちゃくちゃ幅広い分野で、かつある程度深いところまでちゃんと掘れてる人ってあんまりいないよなぁと思った。【広く深く】をモットーに生きてきた価値は使ってあげないと発揮されないよね。

 

僕は決めました。

 

故郷広島の江田島という小さな島に帰って、美味しい料理が出てくるゲストハウスをやります。使う野菜は自分で育てたりしたいな。土日だけでいいんだ。平日は農業やまちづくりのこと、島のことに精を出して。交通の便がめちゃくちゃ悪い場所でいい。見てほしい景色がある。めっちゃ苦労してわざわざ僕を訪ねてきてほしい。そうまでして会いに来てくれた人には全力でおもてなしする。できる。したい。

時間かかるかもしれない。お金持ちにはなれないかもしれない。けど僕の持ってる知識や経験やスキルはすべて活かしてあげないと、これまで僕を支えてくれた人や、僕が迷惑をかけてきた人、そして勇気を出してくれた韓国人の彼に、そして何より自分に対して失礼だよなぁと思った。

僕はオンリーワンだ。そしてあなたもきっとオンリーワンだ。僕の不得意な部分を、あなたの得意な部分でカバーしてほしい。逆もまた然り。一人ですべて解決する必要はなかった。そりゃなんとなくは分かってたんだけど。本当の意味で理解できたというか、人に説明できるぐらいには明確に気づくことができた。

 

やっと。やっと見えてきたよ。視界良好ってやつだ。ファイト!

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